Algomatic Tech Blog

Algomaticの開発チームによる Tech Blog です

イベント運営をNotion x Slack x GASによって効率化する

はじめに

こんにちは。Algomatic CTO室 でインターンしている藤巻(@makiart13)です。 普段は、さまざまな業務の改善やPoCを行っています。

弊社Algomaticでは、定期的に技術系ミートアップやカンファレンスを開催しています。イベント運営は開催の1ヶ月前から準備を始め、登壇者とのコミュニケーション、会場手配、資料作成など多岐にわたるタスクが発生します。これらの作業は運営側のマインドシェアを恒常的に割きがちです。これら問題を解決するために、LLMの活用はもちろん、Slack、Notion、GASなどを活用した、イベント準備効率化ツールを作成、運用しています。

本記事では、そのイベント準備効率化ツールの中から、いくつかをピックアップして紹介します。

対象読者

  • イベント開催や定期にコミュニティを運営するDevRelの方
  • 作業効率化について興味のある方

イベントの運営をしている方に少しでも参考になれば嬉しいです!

背景

弊社は創業してからまだ1年半も経っていないスタートアップではありますが、すでに中規模(5,60人)から大規模(100人以上)のイベントを多く開催しています。

algomatic.connpass.com

algomatic.connpass.com

50人以上の参加者を想定したイベントでは、対象者にとって参加したくなるようなテーマやコンテンツ設計が重要になり、関係者との連絡量も増加していきます。そのため、イベントの規模が大きくなるに応じて準備期間が長くなります。

弊社では、開催日の2週間前にイベント告知が行えるように1ヶ月以上前からイベントの準備を行っており、開催までには以下のようなタスクが発生します。

  • 企画書作成
  • 登壇者などの関係者への声がけ
  • イベント会場の確保
  • イベントページサムネイルなどのクリエイティブ依頼
  • connpassなどでイベントページの作成、公開
  • イベント当日に投影するスライド作成
  • 飲食手配
  • 関係者との当日に向けたコミュニケーション

これらのタスクは通常業務と並行して進めていくことが多く、割り込み対応などで苦労する点も多々あります。そのため、イベント参加者の体験向上に注力するためには、まずはイベントの準備をスムーズに遂行する必要があり、そのためには業務効率化が不可欠です。

そこで作成したのが、イベント準備効率化ツールです。弊社ではイベント運営の効率化とイベント参加者の体験向上を目的に、いくつかのツールを作成しました。

作成したもの

この記事ではイベント業務効率化の一環として作成したツール群の中から3つピックアップして紹介します。

  • [Notion x Slack] イベントタスクの自動リマインド
  • [Slack x LLM] イベント企画書からイベントページコンテンツ作成
  • [GAS] イベントキット(資料、アンケート)自動作成

[Notion x Slack] イベントタスクの自動リマインド

実際に整備されたイベントを管理するNotionページ

まず、このツールを作るにあたってイベント業務効率化の一歩としては、イベントを管理するNotionの整備を行いました。

ツールはあくまで、盤石な基盤の上にあるべきだと考えています。秩序のないNotion下で効率化を行おうとしても、正規化されていないことによる高頻度でのツールの更新や、そもそもそのページが使われないからツールの価値がなくなるといった問題が十中八九起こるので基盤の部分の見直しは大切です!


Notionの整備が完了したあとにタスクの自動リマインドツールの作成を行いました。

Slackに投稿される実際のリマインド

このツールは毎朝NotionにあるイベントのタスクDBを参照し、開催の何日前にやらなくてはいけないのか、または指定された期日が設定されていると、その当日にSlackからリマインドが送信されるようになっています。このリマインドはSlack上で完了にすることができ、Notionにアクセスせずともタスクのステータスを変更することができます。

Slackに投稿される期日のすぎたタスクのリマインド

期日を過ぎると怒られます。

[Slack x LLM] イベント企画書からイベントページコンテンツ作成

次にイベントの企画書からイベントページのコンテンツを自動で作成するツールを紹介します。

弊社では、connpassを利用してエンジニアやデザイナー向けのイベントを開催することが多いです。

connpassは公開するにあたり、サムネイルや開催日、そしてイベント内容について入力する必要があるのですが、タイムテーブルなどはmarkdownの記法を使って記述するため、煩雑でミスが起こりやすく、コンテンツの作成に時間がかかっていました。

実際のconnpassページの編集画面

この問題を解決するため、Slackコマンドからイベントの企画書PDFをもとにイベントページのコンテンツを自動で作成するツールを作成しました。

このツールでは、PDFの内容をベースにあらかじめ決められたフォーマットに沿って、イベントページのコンテンツを作成することができ、markdownのテーブルをいちいち構築する必要がなく、connpassの入力欄にコピーペーストし、少し加筆修正するだけでページの作成が完了します。

イベント企画書からページコンテンツ生成のフロー

ページコンテンツの生成を行わせるときには、あらかじめ構成や例などを示すfew-shot プロンプティングで生成させることで、出力を安定させ、加筆修正作業を行いやすくしています。

また、Slackから呼び出せるようにすることによって、コンテンツ生成までのタッチポイントを減らし、使用するまでのハードルを下げるようにしています。

[GAS] イベントキット(資料、アンケート)自動作成

実際にイベントキットを作成している様子

最後にイベントキットの自動作成ツールについて紹介します。このツールではイベントのタイトルや会場のWiFi情報、connpassで設定しているスケジュールを入力することで、その情報に沿ったイベントキットを作成します。

このイベントキット自動作成ツールがなかった時は以下のような問題点がありました。

  • 転記作業に時間がかかる
  • スライドに記載している情報を間違えてしまう
  • 2次元コードの貼り間違い、作成ミス
    • WiFi、アンケート先、質問先
  • アンケートの権限付与忘れで回答できない

しかし、このツールを使うことで、イベント資料作成にかかる時間を大幅に短縮できたことに加え、ミスが起きる確率減らすことができました。

スライドのテンプレート

仕組みとしては、Google Slideでテンプレートを作成し、そのテンプレートをベースに入力されたフォーム内容で、文章を置換する処理をGASで実装しています。

埋め込み処理後の結果

二次元コード画像の生成は、去年ぐらいまではGoogleのChart APIを使うことで二次元コード画像を簡単に作成することができたのですが、今年あたりから完全にChart APIを利用することができなくなってしまったので、自前で二次元コードの生成を行うAPIGoogle CloudのFunctionsを用いて作成し、それを利用するようにしました。

また、スケジュールに関しても、markdownの表をそのままフォームにペーストするだけで、スライドの表に変換でき、転記業務を大幅に短縮することができました。

得られた効果、インパク

これらのツールを導入したことで、以下のような効果が得られました。

  1. イベント準備にかかる時間の大幅な短縮
    • タスクの自動リマインドにより、タスクの見落とし軽減
    • コンテンツ変換、転記などの単純作業を削減
  2. ミスの削減とクオリティの向上
    • 情報の転記ミスや2次元コードの貼り間違いなどのミスの削減
    • イベントのテーマ設計やコンテンツ設計など、参加者の体験向上に直結する部分により多くの時間を割けられるように

最後に

本記事では、弊社Algomaticにおけるイベント準備効率化ツール群の一部を紹介しました。

これらのツール群の活用によって、より多くの時間を参加者の体験向上に直結する部分に咲くことが可能になりました!

まだまだ、改善できる点はたくさんあります!

今後も、イベント運営における課題を見つめ直し、新たなツールの開発や既存ツールの改善を行っていきたいと考えています。そして、より多くの方々に価値あるイベントを提供をしていきます!


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